2012年5月に開催された第1回“復☆電書”。3週間で合計991件ものリクエストが集まり、ついに6作品が配信開始!!
第1回復☆電書配信作品>>《魔法使い》にお願い? 運命のタロット(1)
- 《魔法使い》にお願い? 運命のタロット(1)
- 著者:皆川ゆか 絵:乱魔猫吉
- タロットに宿る大精霊登場!
- あらすじ:
タロットの《魔法使い》に出会ったの――主人公・水元頼子は、タロットカ-ドの《魔法使い》に出会ってしまったために、他のタロットが起こす事件を解決したり戦ったりせねばならなくなってしまいます。「運命のタロット」シリーズ第1弾。第1回「復☆電書」読者リクエスト第1位作品。『《教皇》がiを説く 真・運命のタロット1』も同時配信。(講談社X 文庫・1992年9月刊)
著者コメント:
- ≪電子書籍で復刊されることについて≫
- 《魔法使い》は鼻を鳴らす。そうして、「ずいぶんと時間がかかったものだな」などと嘯いてくる。あんたねー、どれだけみんなが苦労したと思ってるんだよ、とあたしは拳を握りしめる。だいたい、復☆電書がどういうものか、わかってるわけ? 「わかるさ。だが、どのような形であっても本質が揺らぐものではない」《魔法使い》の答えにあたしは少しばかり安堵する。「どこであっても、ライコはダチョウだということさ」……それは余計だ!
- ≪復刊を応援してくれた読者の皆様へのメッセージ≫
- 皆川ゆかの不運はこのシリーズを書く場所を少女小説レーベルにしか与えられなかったという人もいます。ただ、このシリーズが今なお、皆さんに支持されているのも、やはりティーンズハートだったからかもしれません。十代の半ばにこのシリーズに触れ、リアルタイムで追い続けた人はたぶん、ライコと同じように理不尽な世界と戦いながら、大人になっていったのだと思います。リクエストしてくれた気持ちに、感謝するばかりです。
- ≪対象作品の当時の思い出≫
- 前作のティー・パーティーシリーズが「難しかった」という読者からの意見を受けて、読みやすくすることを強く意識しました。いかにも少女小説らしい改行の多い文体、と評されるのですが、復☆電書に収載されている『ぱらどっくすティー・パーティー』と比較してみると一所懸命、増やしているのがわかります。結局、書きづらかったのでいつもの文体へ戻していくわけですが、そういった面で初期はいろいろ迷走していて申し訳ないです。
- ≪これから読む人へのメッセージ≫
- なんとか「少女小説」に寄せようとしてあきらめた経緯もあって、『運タロ』の初期何冊かには忸怩たるものがあります。ただ最近になって読んで、熱烈に支持してくれた高校生がいて、「あぁ、今の子でも大丈夫なんだ」と安堵しました。ちゃんと伝わってくれるのが嬉しい。このシリーズはどんどん最初の枠組みから物語が外れていきます。そのダイナミズムを味わってもらうためにも、最後まで復☆電書に収載されればよいのですが。